2030年01月01日

予定情報

刊行予定
予定なし

雑誌掲載等
『石の刃』不定期連載中(「小説 野性時代」)

(この頁は米澤が気がついたときに更新しています)
(正確な情報は出版社のサイトなどでご確認下さい)
(更新日時が2030年になっているのは、この項目をトップに表示するためです)
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2025年02月19日

岐阜県芸術文化顕彰を受けました


 岐阜県芸術文化顕彰を受けました。
 会場ではご挨拶の時間が限られ、意を尽くせませんでしたので、予定していた挨拶文を(文章用に調整して)掲載します。


 ホルヘ・ルイス・ボルヘスは博覧強記で小説においてあらゆる場所を舞台しましたが、彼が故郷のアルゼンチンを書くとき、その文章には、ほかの場所を書くときとは違う土の気配が漂います。私はこの気配が好きです。
 この例から推すと、作家は森羅万象を種とするにしても、自らが歩んだ土地に種を撒くとき、また独特の花を咲かせるものかという気がします。
 顕彰にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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2024年12月13日

「輪廻の果てまで愛してる」


「紙魚の手帖」vol.20 DECEMBER 2024掲載

 あたしの愛はすべてを超えるのだ。善も、悪も、輪廻さえ。もし超えられないというのなら……超える方法を探せばいいじゃない?
 突っ走れ、カルマ値を調整せよ。すべては愛のため。輪廻の果てまで愛してる!
 恋愛ミステリ。だろうか?

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2024年08月07日

「時効」


『これが最後の仕事になる』(講談社 2024年8月7日刊)収録

 定年を迎えた駐在警察官が、生涯を捧げた駐在所を掃除していく。
 こんなものもあったか、あんなものもあったか。狭い部屋から見つかる思い出の品に、彼の心は過去へと飛ぶ。
 掌編です。

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2024年06月21日

「名残」


「小説新潮」2024年7月号掲載

 八ヶ岳山麓。
 大叔父が営むオーベルジュで働く青年は、常連客の振る舞いに目をとめた。前年まで好評だった朝搾りのミルクが、今年はまったく減っていない。もしや不行き届きがあったのか? 心配する青年に、大叔父は黙して何も語らない……。
 時は過ぎていく。〈日常の謎〉短篇。

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「お見通し」


「オール讀物」2024年7月号掲載

 通り魔殺人の被疑者を逮捕し、捜査班は打ち上げを開く。班長である葛はそっと一次会を抜け出して、ひとり行きつけの店へ。そこに現れた謎の男(生活安全課)は葛に、手柄話を聞いていけと言った……。
 隠された目的を暴く、夕食一回分のミステリです。

タグ:〈葛警部〉
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2024年04月26日

『冬期限定ボンボンショコラ事件』


(記事作成中)

タグ:〈小市民〉
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2023年10月25日

2023年07月28日

『愛蔵版〈古典部〉2』予約受付が始まりました


 こんにちは。米澤です。

『愛蔵版〈古典部〉シリーズII クドリャフカの順番・遠まわりする雛』の予約受付が始まりました。
 今回は特典として、『クドリャフカの順番』執筆時に用いた自筆創作メモを印刷、収録しています。
 予約締切は8月31日、ご予約はお近くの書店や、KADOKAWA公式サイト(右上の「購入する」ボタンから進めます)、または一部通販サイトで受け付けています。

 どうぞよろしくお願いいたします。

posted by 米澤穂信 at 19:12| お知らせ

2023年07月25日

『可燃物』


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(かねんぶつ)


著:米澤穂信
装幀:野中深雪
出版社:文藝春秋

発売日:2023年7月25日
定価:1,700円(税別)
四六判上製
ISBN:978-4-16-391726-9



打てる手は全部打つというわけだな。いいだろう。



 28冊目です。

 遭難したスノーボーダーが発見された。一人は重傷、そしてもう一人は死体となって。県警葛班は捜査本部に加わり、殺人容疑で捜査を開始する。犯人はわかっている、だが、凶器がない……。
 雪降る崖下の、凶器なき殺人。――「崖の下」

 強盗致傷事件が発生。犯人の「稼ぎ」は少額で、事件は続発するおそれが大きい。強行軍で捜査する捜査本部に、最有力被疑者が交通事故を起こしたという一報が入る。
 葛の前に現れたのは、あまりにも好都合な証言者たちだった。――「ねむけ」

 花咲く行楽地で、切り刻まれた死体が発見された。捜索が行われ、死体の部位は次々に発見される。遺体の身元も判明し、捜査は着々と進展するが、葛は事件の全体像とかみあわない一点を決して看過しなかった。すなわち……犯人はなぜ、死体を刻んだのか?――「命の恩」

 強風地帯で連続放火事件が発生する。葛班が捜査に乗り出すが、その途端犯行は停止した。捜査員の存在がばれたのか? でなければ……。
 カギは、この街でかつて発生した、痛恨事の中にある。――「可燃物」

 県警本部に帰還中の葛班は、急遽、移動経路上で発生した立てこもり事件の応援に駆けつける。避難は完了しているか、負傷者はいないか、現場の建物の構造は……情報を収集する葛班の前に、立てこもり犯が姿を見せる。その手には「拳銃」が。――「本物か」

 部下も、上司も、自分の立場も未来もすべて眼前の事件解決のために注ぎ尽くして悔いない葛警部が、人智の限りを尽くして挑んだ事件集です。
 警察ミステリをお届けします。推理をお楽しみ頂ければ、幸いです。

タグ:〈葛警部〉
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2023年07月21日

『時代小説 ザ・ベスト2023』


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(じだいしょうせつ ざ・べすと2023)


出版社:集英社
編纂:日本文藝家協会
発売日:2023年7月21日
定価:1,034円(税込)
文庫判


 歴史時代小説のアンソロジーに、拙作「供米」を採って頂きました。
 収録作は次の通りです。

佐々木功「したのか、家康」
矢野隆「母でなし」
今村翔吾「山茶花の人」
米澤穂信「供米」
伊吹亜門「遣唐使船は西へ」
木下昌輝「証母」
蝉谷めぐ実「凡凡衣裳」
斜線堂有紀「奈辺」
武川佑「遠輪廻」
花房観音「鬼の里」

posted by 米澤穂信 at 00:00| 共著・アンソロジー

2023年07月04日

『可燃物』トークイベントが開催されます


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 こんにちは。米澤穂信です。

 雪降る崖下の、凶器なき殺人。――「崖の下」
 あまりにも好都合な証言者たち。――「ねむけ」
 切り刻まれ、花咲く行楽地に撒かれた死体。――「命の恩」
 過去の痛恨事が招く、小さくも危険な事件。――「可燃物」
「本物か」という問いが導く犯人像。――「本物か」

『可燃物』刊行を記念し、8月19日(土)18:00からトークイベントが開催されます。
 オンラインとリアル(於 文藝春秋西館地下ホール)のダブル開催です。
 参加費はリアル参加が1210円(税込)、オンライン参加が660円(税込)で、どちらもアーカイブ(オンライン上で後から見られる録画)が用意されます。
 リアル参加は先着100名で、こちらにご参加いただいた上で『可燃物』をご持参いただければ、イベント後のサイン会にご参加いただけます。
 完全ネタバレのイベントとなります。

 チケットの販売開始は、7月7日(金)正午です。
 お申し込み方法など、イベント詳細は、


 をご覧ください。
 当日を楽しみにしています。

posted by 米澤穂信 at 12:14| お知らせ

「本物か」


掲載誌:「オール讀物」(文藝春秋)2023年7月号


……本物か?


 国道沿いのファミリーレストランで立てこもり事件が発生。偶然近くにいた葛班が現場に向かうと、姿を現した犯人の手には「拳銃」が。
 本物か? 客や従業員の避難は完了しているのか?
 部下が集めてくる証言者の話を、葛は一つずつ検討する。あのファミリーレストランで、あの瞬間、何があったのか。それがわかれば、「本物」は見抜けるはずだ。
 変形フーダニット。

タグ:〈葛警部〉
posted by 米澤穂信 at 00:27| 雑誌等掲載短篇

2023年03月02日

『愛蔵版〈古典部〉シリーズI 氷菓・愚者のエンドロール』


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(あいぞうばん こてんぶシリーズ 1)


著:米澤穂信
出版社:KADOKAWA

発売日:2023年3月2日
定価:4,500円(税別)
四六変形判
ISBN:978-4041124604



きっと十年後、この毎日のことを惜しまない。



〈古典部〉シリーズの愛蔵版が刊行されることになりました。
 初刊時、書店に勤務していた私は『氷菓』の売り上げデータを見て、これでは作家という仕事を続けていけまいと思いました。
 その後、角川文庫から再刊されてから今日に至るまで、多くの読者に愛していただき、大切にしていただいて、〈古典部〉は恵まれたシリーズへと育って行きました。思いもかけなかった、しあわせなことです。
 そして今日、愛蔵版の刊行に至りました。ありがとうございます。

 今回愛蔵版の刊行に当たって、以下の二編を追加しています。

 一つ目は、『プールサイドにて』です。
 これは〈古典部〉シリーズが『氷菓』の題名でアニメ化された時、特典エピソードとして作成された『持つべきものは』の原案を、改めて小説の形で書き直したものです。
 夏休みの一日を描いた、〈日常の謎〉です。

 二つ目は、『クリスマスは箱の中』です。
 これは新人賞への応募原稿『ありうべきよすが』(という題名だったのです)に含まれており、『氷菓』への改稿時に編集者さんとご相談の上で削除した、暗号ミステリです。
 私はこのお話を、アニメ版『氷菓』のBD-BOXに収録されるコミック特典の原作として再構成しました(後にコミック版『氷菓』の11巻に収録されています)。
 今回、このエピソードを改めて小説の形に書き直しました。
 クリスマスを巡る、古典部四人の小さな謎解きです。

 お楽しみ頂き、ご愛蔵いただけますよう、心から願っています。

posted by 米澤穂信 at 00:00| 既刊情報

2023年01月20日

「命の恩」


掲載誌:「オール讀物」(文藝春秋)2023年2月号


 親父を嫌っていた人は、大勢いるでしょう。でも、殺すほどに憎んでいた人は思い当たりません。いえ、ひょっとしたら酒のはずみで暴力を振るったり、振るわれたりしたこともあったかもしれませんが、それで親父が死んだとして……ばらばらにされるようなことは、なかったと思います。


 夏の行楽シーズン、榛名山麓でバラバラ死体が発見された。ただちに特別捜査本部が設置される。
 捜査を担当する葛警部補は、次々に寄せられる死体発見報告を受けながら、「なぜ」と自問する。なぜ死体は切断されたのか? なぜ榛名山麓に捨てたのか。それがわからなければ、たとえ被疑者を逮捕しても事件は終わるまい……。
 被害者の過去を辿り、唯一の「なぜ」を解き明かす捜査が始まる。

タグ:〈葛警部〉
posted by 米澤穂信 at 22:54| 雑誌等掲載短篇

2022年12月22日

「プロムナード」


 2022年7月から12月までの各木曜日、日経新聞夕刊にエッセイを寄せました。
 以下はその題名です。

1.五稜郭
2.瑞泉寺
3.高山陣屋
4.チャプター・ワン
5.目黒川の桜
6.全生庵
7.岸和田城
8.落穂拾い
9.東慶寺
10.六義園
11.都立中央図書館
12.そこにマイセン
13.スコーンと白米
14.スパゲティとパスタ
15.そばと牛乳
16.井の頭の恋
17.青淵文庫
18.刀を見た話
19.絵を見た話
20.会見を聞いた話
21.おちょぼさん
22.哲学の道
23.金毘羅堂

 いずこかのどなたかのつれづれのおともになっていれば、幸いです。

posted by 米澤穂信 at 00:00| お知らせ

2022年12月09日

「倫敦スコーンの謎」


掲載誌:「紙魚の手帖」vol.8


お菓子作りとは科学であり、再現性がある


 高校で調理実習が行われる。本場のロンドンで食べたことがあるから任せてと胸を張る生徒が焼いたスコーンは、しかし酷い失敗に終わった。
 レポートを課せられた小佐内は途方に暮れる。「わたしが見る限り、手順は完璧だったの」。お菓子作りには再現性がある。手順が正しくて、たまたま失敗したりはしない。しかし、何を失敗したのか?
 推理が始まる……クラスの人間関係に、波風を立てないために!

タグ:〈小市民〉
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2022年11月25日

「それから千万回の晩飯」


掲載誌:「小説野性時代」(KADOKAWA)特別編集2022年冬号


 承知致したきはやまやまながら、まだ約束のものも少々あり且、この月廿日から歸省しますので(□□□したンですからね)今月中には承合いかねます、せめて四月一杯として戴けませんか。それでも宜しかったら書きます。


 山田風太郎賞を受けた「私」に届いた一葉の葉書、それは、編集者だった妻の大叔父が山田風太郎から受け取った、原稿依頼の断り状だった。風太郎曰く、「山田三兄弟」の誼みもあるが、今は書けない……。
 山田三兄弟とは、誰々を言うのだろう。帰省の理由は? この葉書は何年のものなのか。そして何より、妻の大叔父は山田風太郎から原稿を受け取れたのだろうか。
 数々の疑問を胸に、「私」は資料を辿り始める。それは終戦直後の東京に、若き山風と若き編集者の交流を追う旅の始まりとなった。

posted by 米澤穂信 at 00:00| 雑誌等掲載短篇

2022年11月13日

『タイム・リープ』帯文


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 こんなにも美しく、すべてが組みあがっていくなんて。傑出したSFであると同時に、ルールが公平さを保証する名作ミステリ。



 この小説において時間は解体され、欠片となる。パズルが隙なく組みあげられた時、読む者はその構造美に感嘆するだろう。


著:高畑京一郎
出版社:KADOKAWA(メディアワークス文庫)
上下巻

 上記復刊の帯文をお任せいただきました。
『タイム・リープ』が特徴的なのは、時間が行き来しつつも、同じ時間は二度と訪れないという条件設定にあります。このルールがあるため「空白の時間」を埋めていく作業が可能になり、構造は強固に、美しくなるのです。そこには、ミステリの楽しみがあります。
 本書が広く読まれる一助になることを願っています。

posted by 米澤穂信 at 00:00| 解説・推薦・編纂