2018年06月22日

「守株」


「小説新潮」2018年 7月号
発売日:2018年6月22日


 そこで、ぜひとも聞いて頂きたいのですが、私もまた、切り株を守っていたのではないでしょうか。



「小説新潮」に寄稿した短編です。

 韓非子の中に、田を耕す男の話が出て来ます。
 ある日、男が働いていると森の中から兎が飛び出してきて、切り株に頭をぶつけて死んでしまいました。
 男はその日から耕作をやめ、切り株を守り始めます。この切り株にぶつかって死ぬ兎を手に入れるために……。

 会社と家を往復する男が気づいた、平穏な日常に刺さっている小さな棘についての物語です。

posted by 米澤穂信 at 00:00| 雑誌等掲載短篇

2018年06月12日

「安寿と厨子王ファーストツアー」


「ミステリーズ!」vol.89 2018 JUN
発売日:2018年6月12日


 この世が憂きものであるならば、それはなぜだ。この世を憂きものにしているのは、仏か、おのれか。



「ミステリーズ!」に寄稿した短編です。

 岩代の安寿は母親と弟と連れだち、九州に流された父を訪ねようと旅する途中、人買いに騙され丹波の山椒大夫に売られた。厳しい苦役の日々の末、弟だけでも逃がすため、安寿は沼に身を投げた……。
 しかし安寿は、死んではいなかった!
 琵琶を手に、息を胸いっぱいに吸い込んで、安寿はいま山椒大夫に、運命に、憂き世に戦いを挑む。

 安寿がファーストツアーに旅立つまでの物語です。
 商増すと轟音。

posted by 米澤穂信 at 00:00| 雑誌等掲載短篇