著:米澤穂信 写真:岩郷重力+K.K 装幀:岩郷重力+K.K 出版社:東京創元社 発売日:2018年3月23日 定価:本体680円(税別) 文庫判 ISBN:978-4-488-45109-7 |
著:米澤穂信 写真:岩郷重力+K.K 装幀:岩郷重力+K.K 出版社:東京創元社 発売日:2015年12月25日 定価:本体1,400円(税別) 四六判上製 ISBN:978-4-488-02756-8 |
目とは、そこにあるものを見るための器官ではない。 |
20冊目です。
『王とサーカス』の経験を経て、太刀洗万智は一人のフリー記者として歩み始めました。
彼女の仕事を収めた短篇集をお届けします。
折を見て書き溜めていた短篇が一冊にまとまりました。
最初の短編は実に8年前に書かれています。推協賞受賞記念のものや、アンソロジーに向けたもの、機会を見つけて書いてきたものが長篇と同じ年に本になるとは、感慨深い巡り合わせです。
「真実の10メートル手前」
失踪したベンチャー企業の広報担当者が、その妹に電話をかけてきた。東洋新聞大垣支局の記者・太刀洗は、電話の内容だけを手がかりに単独インタビューを試み、名古屋駅から特急「しなの」に乗る。
「正義漢」
東京都吉祥寺駅で乗客が線路に転落、轢死し、電車は運行を停止した。別ルートを模索するひとびとの中で、不審な動きをする女性がいた。
「恋累心中」
三重県の恋累(こいがさね)で、高校生の男女が心中した。現場に向かう週刊誌記者に、上司は取材コーディネーターを手配していた。「癖はあるが、切れるやつだ」。
「名を刻む死」
福岡県鳥崎市で、独居老人が亡くなっているのが見つかった。遺体の第一発見者の中学生に、太刀洗が接触を試みる。彼女の取材目標はひとつ、『名を刻む死』とはなにか。
「ナイフを失われた思い出の中に」
神奈川県浜倉市で、男子高校生が姪を刺殺したとして自首、逮捕される。その数日後、東欧のある国から男性が浜倉を訪れる。ある思い出のために……。
「綱渡りの成功例」
長野県南部を襲った台風により、西赤石市は大きな被害を受けた。大きな土砂崩れからかろうじて生き延びた住人に、太刀洗は取材を試みる。なぜ、いまなのか。なぜ、その問いなのか。(書き下ろし)