「文芸カドカワ」2016年9月号(KADOKAWA)収録 発売日:2016年8月10日 |
「福部里志の話なら夜の散歩ぐらい付き合うのも面白いが、副委員長の相談だったら委員会に持ち帰ってくれ」 |
電子雑誌「文芸カドカワ」に寄稿した短篇です。
ある日、夕食に焼きそばを作っていた折木奉太郎に電話がかかってくる。福部里志から、散歩をしないかという誘いの電話だった。折木は何かあると察し、焼きそばをさっさと平らげて里志と合流する。
初夏の夜、街中を歩きながら、里志は学校であったことを話す。……総務委員会の仕事で生徒会選挙の開票に立ち会ったところ、投票総数が神山高校の全生徒数よりも多かったというのだ。
誰がやったか、何故やったかはともかく、どうやってやったかを突き止めないことには再選挙もできない。困っているのだ、と里志は話す。
折木は夜空を見上げ、
「帰った方がよさそうだな」
と呟いた。
ハウダニットのミステリであり、古典部の彼らの(比較的)ふだんの様子でもあります。
高校生はよく食べる、という話でもあります。
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