「小説新潮」2018年 7月号 発売日:2018年6月22日 |
そこで、ぜひとも聞いて頂きたいのですが、私もまた、切り株を守っていたのではないでしょうか。 |
「小説新潮」に寄稿した短編です。
韓非子に、田を耕す男の話が出て来ます。
ある日、男が働いていると森の中から兎が飛び出してきて、切り株に頭をぶつけて死んでしまいました。
男はその日から耕作をやめ、切り株を守り始めます。この切り株にぶつかって死ぬ兎を手に入れるために……。
会社と家を往復する男が気づいた、平穏な日常に刺さっている小さな棘についての物語です。