「小説すばる」2018年 9月号・10月号 発売日:2018年8月17日・9月17日 |
物語の基本は復讐と宝探しだそうだ。復讐はきな臭いな。宝探しでお互い一席ぶつというのはどうだ。 |
「小説すばる」に前後編で寄稿した短編です。
図書委員である堀川次郎と松倉詩門は、これまでいくつかの謎に関わり、その幾つかを解き明かしてきた。そして晩秋のある日、松倉詩門が奇妙なことを言い出した。
「昔話でもしようぜ」
十円玉を使った賭けに負け、先に話すことになった堀川は、自分の過去の出来事を話す。堀川の話を聞き終えて、松倉もまた、彼自身について語り始める。
それは、六年前に始まり、いまも続いている「宝探し」の物語だった。
堀川と松倉、彼らについてのミステリです。