掲載誌:「ミステリーズ!」2018年 9月号・10月号 発売日:2018年12月12日・2019年2月12日 |
ひとつ。健吾が断言したことだけは、間違いなく事実だと信じることにする。 ひとつ。この事件に超常現象はいっさい絡んでいないと考える。 ひとつ。犯人の行動には彼または彼女なりの合理性があると認める。 |
「ミステリーズ!」に前後編(試食編・実食編)で寄稿した短編です。
小鳩常悟朗は放課後、新聞部の部室にアンケートを届けに行くよう頼まれました。つつがなく用事を済ませ、帰ろうとした小鳩に、新聞部の堂島健吾がためらいながらこう切り出します。
「……常悟朗。いま、暇か?」
新聞部では年末用の特集記事のため取材を進めていたが、その最中に奇妙な事件が起きたというのです。堂島はその解決を(いやいやながら)小鳩に頼んできました。友人の頼みとあらばやむを得ないと、小鳩は(嬉々として)事情を尋ねます。
それは、些細ながら深刻で、単純ながら込み入った……フーダニット(犯人当て)の物語でした。
「ミステリーズ!」誌上で行われた、犯人当て企画のための短編です。
小鳩曰く、「事件の真相を、ぼくは指摘できる。ぼくと同じ材料を手にしたひとならば、同じことが出来るはずだ。」だそうです。
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