2020年02月21日

『消えた脳病変』解説


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著:浅ノ宮遼
カバーイラスト:牧野千穂
カバーデザイン:大岡喜直(next door design)
出版社:東京創元社

発売日:2020年2月21日
定価:本体680円(税別)
文庫判


 第11回ミステリーズ!新人賞の選考過程で「消えた脳病変」に巡り会った時は、ずいぶん昂奮したものです。一読、あまりにも「これだ」という思いが強すぎて、何か見落としていないか不安になったほどです。
 単行本が刊行された時、その受賞作「消えた脳病変」に匹敵するクオリティの短編が並んでいることに驚き、嬉しくなりました。今回解説をお任せいただいたことは、まことに光栄です。

 作中の医師たちは、やり方は違えど、ただひたすらに仕事をしています。奇矯な行動は何一つしていません。それでも(それだからこそ)、人間味が滲み出てくる。私はこの本が好きです。
 微力ながら、この本が多くの方の手に渡る手伝いが出来ていればと願っています。

posted by 米澤穂信 at 00:00| 解説・推薦・編纂