2022年11月04日

『栞と嘘の季節』


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(しおりとうそのきせつ)


著:米澤穂信
装幀:坂野公一(welle design)
出版社:集英社

発売日:2022年11月10日
定価:1,650円(税別)
四六判仮フランス装
ISBN:978-4-08-771813-3



わたしたちは切り札を持たなきゃいけなかった



 27冊目です。

『本の鍵と季節』の続編です。
 松倉詩門が図書室に来なくなり、堀川次郎は図書委員の仕事を続けつつ、友を待っていた。そして彼は帰ってきた……不在の期間など、ただの一日もなかったかのように。そして二人は元通り、放課後の図書委員としての務めを再開する。だが、いつもの業務は、いつものようには始まらなかった。
 返却本に挟まっていた、忘れ物の栞――松倉はそこに用いられている花が、猛毒のトリカブトだと気づく。余計なお世話かもしれないが、栞の持ち主にひとこと、これは毒だと教えた方がいいかもしれない。堀川と松倉がそう考え、栞を特別な場所に隠した時、彼らはこの街で静かに始まっていた事件にかかわってしまった。

 栞は、誰が何のために作ったのか。同学年の瀬野を加え、三人は毒と嘘の迷路に踏み込む。
 そして、誰にも知られないはずだった過去が、あばかれてゆく。

posted by 米澤穂信 at 00:00| 既刊情報