2022年12月09日

「倫敦スコーンの謎」


掲載誌:「紙魚の手帖」vol.8


お菓子作りとは科学であり、再現性がある


 高校で調理実習が行われる。本場のロンドンで食べたことがあるから任せてと胸を張る生徒が焼いたスコーンは、しかし酷い失敗に終わった。
 レポートを課せられた小佐内は途方に暮れる。「わたしが見る限り、手順は完璧だったの」。お菓子作りには再現性がある。手順が正しくて、たまたま失敗したりはしない。しかし、何を失敗したのか?
 推理が始まる……クラスの人間関係に、波風を立てないために!

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posted by 米澤穂信 at 00:00| 雑誌等掲載短篇