2022年11月13日

『タイム・リープ』帯文


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 こんなにも美しく、すべてが組みあがっていくなんて。傑出したSFであると同時に、ルールが公平さを保証する名作ミステリ。



 この小説において時間は解体され、欠片となる。パズルが隙なく組みあげられた時、読む者はその構造美に感嘆するだろう。


著:高畑京一郎
出版社:KADOKAWA(メディアワークス文庫)
上下巻

 上記復刊の帯文をお任せいただきました。
『タイム・リープ』が特徴的なのは、時間が行き来しつつも、同じ時間は二度と訪れないという条件設定にあります。このルールがあるため「空白の時間」を埋めていく作業が可能になり、構造は強固に、美しくなるのです。そこには、ミステリの楽しみがあります。
 本書が広く読まれる一助になることを願っています。

posted by 米澤穂信 at 00:00| 解説・推薦・編纂