2021年08月18日

『日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女』帯文


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透徹した叡智が、
その果てにおいて幻想と交わる――。
なんと厳粛な小説集だろう。


著:石黒達昌
出版社:早川書房(ハヤカワ文庫)

 上記新編の帯文をお任せいただきました。
 科学者の目と作家の手が、かくも冷徹な小説を生み出しました。私はかねがね、本書収録の「平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに、」は、もしかしたら誤解されているのではと感じています。明寺伸彦博士の死因はたしかに後天性免疫不全症候群だったかもしれませんが、それをもたらしたものは何であったか。私はそこにミステリを見ます。
 本書が広く手に取られる一助になればと思います。


posted by 米澤穂信 at 00:00| お知らせ