2005年07月21日

『犬はどこだ』


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THE CITADEL OF THE WEAK

(四六判)
著:米澤穂信
装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。
出版社:東京創元社

発売日:2005年7月21日
定価:税込1680円(本体1600円)
四六判仮フランス装
ISBN:4-488-01718-5

(文庫判)
著:米澤穂信
解説:村上貴史
装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。
出版社:東京創元社

発売日:2008年2月29日
定価:税込777円
文庫判
ISBN:978-4-488-45104-2


 六冊目です。
 主人公の年齢層を十歳ほど上げ、取り上げる事件の内容もそれ相応のものになりました。

 順調な人生を歩んできたものの、就職後に突然病魔に襲われ、やむなく生まれ故郷の八保市に戻ってきた紺屋長一郎。彼は、自分の新しい仕事として調査業を始めます。想定した業務内容は、いなくなったペット捜し。彼は自分の事務所を〈紺屋S&R〉と名づけます。
 しかし実際に舞い込んだのは、都会から失踪しどうやら八保市近辺に来ているらしい孫娘、佐久良桐子を捜してくれという依頼。思わぬ依頼に少し戸惑った紺屋ですが、条件さえ折り合うならと引き受けることにします。
 ですがさしもの彼も、続いて持ち込まれた依頼にはあきれました。八保市の北にある小さな町の神社に代々伝わる古文書、その内容を、教育委員会に頼らずに解読してくれというのです。どう断ろうか腐心する紺屋でしたが、その場に同席していた紺屋の知人半田平吉が、憧れの探偵への第一歩としてその仕事を受ける意思を見せました。
 こうして、紺屋長一郎は都会から消えた佐久良桐子を捜し、半田平吉は村に伝わる古文書を解読することとなりました。
 全く関係がないかに見えた二つの事件ですが、二人の探偵が気づかないうちに、調査内容はニアミスを繰り返していきます。

 調査と推理と検証と。これまでの私の作品を「日常の謎」とくくるなら、本作は「私立探偵もの」になろうかとおもいます。

posted by 米澤穂信 at 00:00| 既刊情報