(四六判) 著:米澤穂信装画:フジモト・ヒデト 装幀:新潮社装幀室 出版社:新潮社 発売日:2006年8月31日 定価:税込1470円(本体1400円) 四六判クレスト装 ISBN:4-10-301471-7 (文庫判) 著:米澤穂信装画:笹部紀成 装幀:新潮社装幀室 解説:村上貴史 出版社:新潮社 発売日:2009年10月1日 定価:本体476円 文庫判 ISBN:978-4-10-128781-2 |
八冊目です。
ミステリというよりは青春小説、と言われます。
舞台は石川県金沢市。実在の場所を物語の舞台にするのは、多分初めてです。主人公は高校一年生、嵯峨野リョウ。彼は二年前に死亡した恋人を弔うため、福井県東尋坊を訪れます。
しかし、強い眩暈に襲われ、気がつくと彼がいたのは金沢市。不思議に思いながらも帰宅した彼を迎えたのは、サキと名乗る見知らぬ女性でした。いくばくかのやり取りの後、サキは言います。自分はリョウの、生まれなかった姉。ここはあなたが生まれなかった世界なのだ、と。
もちろんリョウは、すぐにはその言葉を信じません。ともあれサキはリョウを温かく遇し、二人は連れ立って金沢の街や、北陸本線や、東尋坊を見てまわることになります。
ボトルネックがあります。排除すれば済むと人は言いますが、むしろ問題なのはここからです。