2009年01月26日

まいりました

 こんにちは。米澤です。

 年明けから割とろくでもないことが続き、体力はともかく精神力をごっそり消耗してしまいました。このろくでもない連鎖はお狐さまのバチにちげぇねえと思い立ち、遅まきながら年明けのご挨拶を申し上げるべく、東伏見稲荷に参ってきました。
 本当なら京都は南の伏見稲荷に参れれば申し分ないのでしょうが、なにぶん遠いので。

 初詣の時期はとうに過ぎ、境内はひとけもなく静まりかえっていました。とりあえずよろしゅうと参拝した後、毎年恒例の御神籤をひいてきました。
 こちらに越してきてから稲荷に参るなら東伏見と決めているので、割と何度か来ているんですが、それにしてもここは御神籤の判定が厳しい。大吉中吉なんて望むべくもなく、吉が出ればまだ良い方、凶の籤がふつうに出てくるという、なんともスリリングなお試しスポットとなっています。今年はすでに凶っぽいことが立て続けですので、ここでいい籤を引いて転換のきっかけにしたいと願い、がんらがんらと箱を振りました。
 さあ、吉凶やいかに!?

 その結果がこれです。ヘイ!

hey.jpg

 四十一番 平。
 ヘイ! と言われても……。で、吉なんですか、凶なんですか。

 ちなみに、
「縁談:おもしろからず」
「病気:よろしからず」
「あきなひ:おもはしからず」
「たびだち:出さきにてさわりあり」
「失せもの:出がたし」
 などなど、良いことは何一つ書いてありませんでした。転居や訴訟、相場などについても全滅。御神籤はこれほど「ダメ」の表現が多彩なのかと感動さえしましたが、あいにくデジタルカメラを持ってきていなかったので、充分な取材はできませんでした。いつぞやの凶の方がまだ救いが書かれていた気さえします。
 常連客に対してもこのグラディウス3並みの判定の厳しさは、さすがお狐さまと思わざるを得ません。媚びないところが素敵です。昨今の1ドット判定も少しは見習って頂きたいところです。もはやなにを言っているのかわかりません。ヘイ!

 東伏見稲荷の御神籤にはいい籤など入っていないんだ、誰が引いてもろくでもないことばかり書いてあるんだと自分を慰めながら結びどころに籤を結んでいると、隣の籤の中身が透けて見えました。大吉でした。

 おもはしからぬ年の初めにお狐さまのお墨付きまでいただいてしまいましたが、まあ、読者の皆様におかれましては来月の新刊よろしくお願いいたします。
posted by 米澤穂信 at 12:06| 近況報告