2009年02月27日

『秋期限定栗きんとん事件 上』


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THE SPECIAL KURI-KINTON CASE

著:米澤穂信
装画:片山若子
装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。
出版社:東京創元社

発売日:2009年2月27日
定価:税込609円
文庫判
ISBN:978-4-488-45105-9

 その程度でぼくに謎をかけようなんて、おかしくって話にもならない。

 十二冊目です。
『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』に続く、〈小市民〉シリーズの三作目です。

『夏期限定トロピカルパフェ事件』が終わり、二学期が始まります。ある日の、小鳩常悟朗は一枚のメモを受け取りました。そのメモに従い放課後の教室を訪れた小鳩を、クラスメートの仲丸十希子が待っていました。彼女は言います。「つきあっちゃおうよ」。
 そして小鳩は、仲丸と交際を始めます。

 一方、新聞部では一つの騒動が持ち上がっていました。
 一年生の瓜野高彦が、学内の出来事しか記事にしない紙面作りに異を唱えたのです。彼は学内新聞で取り上げるべきネタを探し、市内で起きている連続放火事件に行き当たります。
 瓜野は発奮します。彼には、いいところを見せなければならない相手がいるのです。

 上下分冊の長篇です。
 多視点の手法を用い、傾向の違う二つの話を同時に進めています。
 立て飢えたる小市民、いまぞ日は近し。

タグ:〈小市民〉
posted by 米澤穂信 at 00:00| 既刊情報