(四六判) 著:米澤穂信装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。 出版社:角川書店 発売日:2007年10月3日 定価:本体1,400円(税別) 四六判仮フランス装 ISBN:978-4048738118 (文庫判) 著:米澤穂信写真:清水厚 装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。 出版社:角川書店 発売日:2010年7月24日 定価:本体629円 ISBN:978-4-04-427104-6 |
記念すべき十冊目です。
〈古典部〉シリーズの四冊目でもあります。
『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』の三冊で、神山高校文化祭はいったんの終わりを迎えます。
しかし古典部にとって、折木奉太郎たちにとって、文化祭は数多ある学校イベントのひとつに過ぎません。
彼らには常に、時に卑近な、時に瑣末な厄介ごとが襲い掛かるのです。
適当にいなしたり付き合ったりしているうちに、時計の針は進みます。彼らは、高校二年生になりました。
連作短篇集です。
入学直後、まだ何もかもが不安定だった頃。「やるべきことなら手短に」。
一学期、「だべり」以外のなにものでもない、どうでもいい放課後。「大罪を犯す」。
夏休み、コネを使って、古典部は温泉宿にタダで泊まります。山奥で夏合宿! 「正体見たり」。
二学期、折木と千反田の放課後。他に話すことはないのか。「心あたりのある者は」。
冬休み、正月には初詣に。しかし恐るべき密室が折木たちを襲います。「あきましておめでとう」。
三学期、バレンタインデーをテーマにした一大伽藍(でも短篇)。「手作りチョコレート事件」。
そして春休み。千反田家と「生き雛」と、一年という時間がもたらしたもの。「遠まわりする雛」。
全七編です。……ということは、一篇あたり200円(税別)ですね。文庫判なら90円弱(税別)です。
これはお買い得!
もうひとつ、いちおう宣伝宣伝。「心あたりのある者は」は、推理作家協会賞短篇部門候補作です。あんまりこういう宣伝は好きではないのですが、でも、宣伝宣伝。
〈古典部〉シリーズをずっと読んで下さっていた方はもちろん、この『遠まわりする雛』からでも読んでいただける一冊になっていると思います。
今回は、時系列を追っていくことがひとつのテーマになっています。「野性時代」誌でお読みくださった方も、できることならば、最初からお読みいただけると嬉しいです。
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