2010年07月24日

『遠まわりする雛』


hina.jpgMr_Blank.jpglittlebirds_can_remember.jpg

Little birds can remember

(四六判)
著:米澤穂信
装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。
出版社:角川書店

発売日:2007年10月3日
定価:本体1,400円(税別)
四六判仮フランス装
ISBN:978-4048738118

(文庫判)
著:米澤穂信
写真:清水厚
装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。
出版社:角川書店

発売日:2010年7月24日
定価:本体629円
ISBN:978-4-04-427104-6

 記念すべき十冊目です。
〈古典部〉シリーズの四冊目でもあります。

『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』の三冊で、神山高校文化祭はいったんの終わりを迎えます。
 しかし古典部にとって、折木奉太郎たちにとって、文化祭は数多ある学校イベントのひとつに過ぎません。
 彼らには常に、時に卑近な、時に瑣末な厄介ごとが襲い掛かるのです。
 適当にいなしたり付き合ったりしているうちに、時計の針は進みます。彼らは、高校二年生になりました。

 連作短篇集です。
 入学直後、まだ何もかもが不安定だった頃。「やるべきことなら手短に」。
 一学期、「だべり」以外のなにものでもない、どうでもいい放課後。「大罪を犯す」。
 夏休み、コネを使って、古典部は温泉宿にタダで泊まります。山奥で夏合宿! 「正体見たり」。
 二学期、折木と千反田の放課後。他に話すことはないのか。「心あたりのある者は」。
 冬休み、正月には初詣に。しかし恐るべき密室が折木たちを襲います。「あきましておめでとう」。
 三学期、バレンタインデーをテーマにした一大伽藍(でも短篇)。「手作りチョコレート事件」。
 そして春休み。千反田家と「生き雛」と、一年という時間がもたらしたもの。「遠まわりする雛」。

 全七編です。……ということは、一篇あたり200円(税別)ですね。文庫判なら90円弱(税別)です。
 これはお買い得!
 もうひとつ、いちおう宣伝宣伝。「心あたりのある者は」は、推理作家協会賞短篇部門候補作です。あんまりこういう宣伝は好きではないのですが、でも、宣伝宣伝。

〈古典部〉シリーズをずっと読んで下さっていた方はもちろん、この『遠まわりする雛』からでも読んでいただける一冊になっていると思います。
 今回は、時系列を追っていくことがひとつのテーマになっています。「野性時代」誌でお読みくださった方も、できることならば、最初からお読みいただけると嬉しいです。

タグ:〈古典部〉
posted by 米澤穂信 at 00:00| 既刊情報