ひどい風邪にやられてしまい、一週間を棒に振ってしまいました。
これは悪くなるなとわかったので週の前半は長めに寝るようにして、それでほぼ治ったと思ったのですが。
症状がほぼ全て引いてからも咳だけがいっこうに止まらず、たいへん苦しい仕儀となりました。
咳止めの薬も飲んだのですが、これがどうもよくない。
咳が止まるというより、喉が痺れて咳をするだけの筋力がなくなるような感じで、異物感は残るのにしようと思っても咳ができないという薄気味悪いことになるのです。
別の薬も試してみたところ、こっちはそういう不自然さはなかったものの、覿面に眠くなってしまう。
寝れば寝ただけ回復するのですから確かにいい薬ではありますが、仕事が残っているとなるとありがたくもありません。
ひとづてに聞いた話に、蜂蜜が喉に利くとやら。幸い、暑中見舞いに頂いた蜂蜜がまだ残っていたので、牛乳に溶いて飲むことにしました。
牛乳を電子レンジで温め、蜂蜜を溶く。ちょっと喉を通せば、まあ偽薬効果かもしれませんが、ずいぶん楽になったような気がしました。
それで蜂蜜入りのホットミルクを傍らにかたかたキーボードに向かい続けたのですが、あやふやな言葉を調べようと電子辞書に無造作に手を伸ばしたのがまずかった。
あっと思ったときにはもう遅い。まんまとひっくり返してしまいました。
それが流れていくのを見ながら、私は卒然として悟りました。
乳と蜜の流れる地
旧約聖書にいう「約束の地」とは、なるほどここのことであったのか、と。べたつく。