こんにちは。米澤です。
先日、角川書店の新春感謝会に行ってきました。
いつも通りの壁の花だったのですが、後になって私を捜していた編集者さんがいらしたと聞きました。
「それは申し訳ないことをしました。なにしろ広いですからね」
と申し上げたところ、こう返って来ました。
「米澤さんは壁際に行く習性があると聞いたので、外周を捜したんですが……」
習性て。
なお米澤は好気性です。
ときおり負の走光性が見られます。
東京創元社さんのアンソロジー『蝦蟇倉市事件』の一巻が発売されました。
アンソロジーとしては珍しいことだと思うのですが、なんと特設サイトがオープンしています。
なお、この奇妙な街の命名者は道尾さんです。大藪賞超おめでとうございます。
一つの街を舞台にして競作をしようという企画が持ち上がり、著者が集まって相談をしました。ところが、漠然と「街」と言われてもイメージがつかめない。そこで私が鎌倉をモデルにしてはどうかと言いました。南が海、北が山、鉄道があって歴史もあるのでミステリに使いやすいと思ったからです。
街の名前は後で決めようという話だったのですが、真っ先に原稿を仕上げた道尾さんが、作中で「蝦蟇倉」と命名しました。もっともこの時点ではあくまで仮の名前で、いずれもう一度相談しようということだったと記憶していますが……。
別の方の作中に、街の名前が蝦蟇倉でないと通じない絶妙のネタが記されるに至り、「このネタは捨てるには惜しい」ということでそのまま決着してしまったのです。
それほどのネタが何であるかは、お読みいただければ薄々おわかりになるのではと思います。
ちなみに拙作は二巻目に収録されています。
どうぞよろしくです。