こんにちは。米澤です。
先日大谷大学で講演をしました折り、「どうして雑誌などでは『こんにちは。米澤穂信です。』で始まるのに、サイトだと『こんにちは。米澤です。』で始まるんですか」と訊かれました。
いい質問です。
それは、「米澤穂信」がペンネームであり、「米澤」がハンドルネームだからなのです。このサイトは(URLの変遷こそあれ)デビュー前から続けているので、いまでもハンドルネームを優先しているんですね。
今年、サイトが何周年だったかはよくわかりません。たぶん12周年でした。
そして来年、私はデビュー10周年に突入します。
よくもまあ、やってこられたものです。皆様ありがとうございます。
今年は『ふたりの距離の概算』と『折れた竜骨』の二冊を上梓しました。
一方が〈古典部〉シリーズの五冊目、一方は歴史+ファンタジー+ミステリの変化球。それぞれ、違ったコーナーを衝くことが出来ていればと思います。
また、多くの短篇を発表した年でもありました。
二月に「ナイフを失われた思い出の中に」(東京創元社)。
四月に「満願」(新潮社)。
八月に「柘榴」(新潮社)。
十一月に「軽い雨」(文藝春秋)。
十二月に「死人宿」(集英社)。
短篇集が出るまでの道筋が……見えない……。
いやまあ、こつこつやります。
来年はまず、『リカーシブル』の連載からですね。
短篇も少しずつ書いてはいきたいですが、ちょっと長篇に注力したいなと考えています。
十周年にふさわしいような、いい作品が書けるかどうか。出来映えは書き上がってみないと何ともわかりませんが、私もそれなりに心に期するものを持って、仕事に臨みます。
今年もありがとうございました。来年もがんばります。