2011年12月16日

〈古典部〉シリーズアニメ化の発表がありました

 こんにちは。米澤穂信です。

 拙作〈古典部〉シリーズのアニメ化が決まり、告知がありました。
 制作は京都アニメーション社。
 題名は『氷菓』です。

 詳しいことは、またおいおいお伝えしていけると思います。
posted by 米澤穂信 at 17:07| お知らせ

2011年07月05日

『推理小説年鑑 ザ・ベストミステリーズ2011』


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編:日本推理作家協会
解説:千街晶之
装幀:百足屋ユウコ
出版社:講談社

発売日:2011年7月5日
定価:本体1,600円
四六判並製
ISBN:978-4-06-114912-0

 日本推理作家協会が毎年編んでいるアンソロジーに、拙作「満願」(初出「小説新潮」2011年5月号)を採っていただきました。
 以下に今回の収録作一覧を記します。

「人間の尊厳と八〇〇メートル」――深水黎一郎
「原始人ランナウェイ」――相沢沙呼
「殷帝之宝剣」――秋梨惟喬
「アポロンのナイフ」――有栖川有栖
「義憤」――曽根圭介
「芹葉大学の夢と殺人」――辻村深月
「本部から来た男」――塔山郁
「天の狗」――鳥飼否宇
「死ぬのは誰か」――早見江堂
「棺桶」――平山瑞穂
「橘の寺」――道尾秀介
「満願」――米澤穂信
posted by 米澤穂信 at 00:00| 共著・アンソロジー

2011年06月28日

『儚い羊たちの祝宴』


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(四六判)
著:米澤穂信
装幀:新潮社装幀室
出版社:新潮社

発売日:2008年11月21日
定価:税込1470円
四六判上製
ISBN:978-4-10-301472-0

(文庫判)
著:米澤穂信
装画:日月沙絵
装幀:新潮社装幀室
解説:千街晶之
出版社:新潮社

発売日:2011年6月28日
定価:税込500円
ISBN:978-4101287829



 わたしたちは、いわば同じ宿痾を抱えた者なのです。




 十一冊目です。
「小説新潮」誌などに掲載させていただいたシリーズに、書き下ろしを加えました。

 連作短篇集です。
「秘密の書架」を共有する二人を襲う、酸鼻な不幸。「身内に不幸がありまして」。
 その屋敷の一室には、空を紫に塗った絵がかけられている。「北の館の罪人」。
 愛らしく、それでいて人跡まれな山荘に、遭難者が消えた。「山荘秘聞」。
 わたしの弱さは生まれつきのものだったのだと、いまになって思う。「玉野五十鈴の誉れ」。
「バベルの会」を除名された元会員は、知りたくなかった真実を知る。「儚い羊たちの晩餐」。

 クラシカルで、どこか残照のような雰囲気の小説を書けないかと思っていました。物語好きの心に、何かちょっとでも響くものを、と。
 いつか、何かの形で読んでいただけたらと思っていた小説たちを、いまお届けします。

posted by 米澤穂信 at 03:13| 既刊情報

2011年06月22日

「茄子のよう」


「オール讀物」2011年7月号(文藝春秋)収録
発売日:2011年6月22日 雑誌定価:1,000円



 豊子が自分を愚図だと思い始めたのは、六歳の頃である。




「オール讀物」に寄稿した短篇です。


 豊子は三人の子供に恵まれた人生を送り、生涯連れ添った夫に看取られて逝った。
 死の間際に、彼女は自分の夢を見た。悪いこともあった。良いこともあった。
 最期、豊子はずっと忘れていた疑問を思い出す。もう何十年も前、見合いで夫と結ばれたすぐ後のこと。夫は豊子にこう言ったのだ。
「茄子のような嫁だよ」
 夫が豊子を評した、たったひとつの言葉だった。
 あれはどういう意味だったのだろう?


 誌上での推協賞発表・選評掲載に合わせて書きました。
posted by 米澤穂信 at 11:22| 雑誌等掲載短篇

2011年06月15日

『きみが見つける物語 あこがれのハイスクールライフ!』


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作:谷川流・初野晴・米澤穂信
出版社:角川書店

発売日:2011年6月15日
定価:本体640円
新書判
ISBN:978-4-04-631162-7

『遠まわりする雛』に収録されている拙作「手作りチョコレート事件」が、角川書店の児童書ライン「つばさ文庫」に収録されました。
 なお対象年齢に鑑み、漢字にはふりがなが振られています。また、琴音らんまるさんの挿絵がついています。
 以下に収録作一覧を記します。


谷川流「涼宮ハルヒの退屈」
初野晴「クロスキューブ」
米澤穂信「手作りチョコレート事件」
posted by 米澤穂信 at 00:00| 共著・アンソロジー

2011年06月12日

「名を刻む死」


「ミステリーズ!」vol.47 2011JUN(東京創元社)収録
発売日:2011年6月12日 雑誌定価:1,200円



 そんな言葉に、いつまでも囚われていてはいけない。忘れなさい。忘れるしかないのよ。




 雑誌「ミステリーズ!」に寄稿した短篇です。


 福岡県鳥崎市で、一人暮らしの老人・田上良造が死亡した。死因は餓死と推定される。
 第一発見者の檜原京介は高校受験を控えており、学校からの帰り道に死体を見つけた。彼は取材陣に、「いつもは元気な人なのに、何日か姿を見てなかったので、気になっていたんです」と話す。

 それは嘘だった。京介は理由があって、田上良造が近々死ぬのではと思っていたのだ。
 真実を誰にも告げられないまま、田上の死はニュースとして消費され尽くした。もう誰も彼の話を聞かないかに思われた。
 しかし、遺体の発見から二十日後、ルポライターを称する女性が京介に接触してくる。

 太刀洗というそのルポライターは、田上良造の人となりを追っていた。
 人に言えなかったわだかまりを解くためには、田上がなぜ一人で死なねばならなかったのかを知るしかない。そう考えた京介は、取材に同行させてくれるよう太刀洗に頼み込む。

 鍵になる言葉は田上の日記に遺されていた。
『私はまもなく死ぬ。願わくは、名を刻む死を遂げたい』
 今際の願いは叶えられたのだろうか。



 日本推理作家協会賞受賞第一作となります。

posted by 米澤穂信 at 00:00| 雑誌等掲載短篇

2011年05月04日

「怪盗Xからの挑戦状」


web掲載(現在は掲載終了)
公開日:2011年5月4日



 美学。
 美学であれば仕方がない。私は力強く頷く。
「気持ちはわかる。大いにわかるぞ、怪盗X!」
「あなたならわかって下さると思っていました、探偵X!」
 そして我々はテーブル越しに、固い握手を交わした。所属する陣営は違えども、我々は美学を追究する同志である。それが汚された時、我々は何としてでもその汚点を拭い去らねばならない。そうでなければ探偵は探偵たり得ず、怪盗は怪盗たり得ないのだ。
 だが助手は、微かに眉をひそめていた。「あ、この人も残念な感じの人だ」と呟くのが聞こえる。




 人を傷つけないことを美学とする怪盗X。ポール・ゴーギャンの名画「オアラマオア」をはじめ、さまざまな財物を盗みだしてきた彼は、世にも稀なる絶品の血赤珊瑚「田端の女王」を狙っていました。
 狙った獲物が長野県のホテル・天弓館に隠されているという情報を掴んだ彼は、変装して下見に向かいます。
 ……そしてその晩、雪と事故に閉ざされたホテルで、一人の男が殺害されます。

 偽の身元を用意していなかったため、怪盗Xは警察が駆けつける前に天弓館を脱出。しかしそのせいで、彼は事もあろうに殺人事件の容疑者になってしまいます。
 自らの美学を守るためには、真犯人を見つけ出さなくてはなりません。怪盗Xは現場の状況を録画したデータを携え、ある人物を訪ねます。

 その人物こそ探偵X。違いのわかる男。
 天弓館での殺人事件は、探偵Xに突きつけられた挑戦状も同然となりました。そしてこの挑戦状は、同時に、読者・視聴者諸賢にも向けられているのです!


 テレビドラマ「探偵Xからの挑戦状!」(第3シーズン)用に書き下ろした短篇です。公開時の情報についてはこちらに記してあります。
posted by 米澤穂信 at 00:00| 雑誌等掲載短篇

2011年05月01日

「怪盗Xからの挑戦状」配信中です

 こんにちは。米澤です。
 現在、NHKの番組「探偵Xからの挑戦状!」用に書き下ろした短篇、「怪盗Xからの挑戦状」が配信されています。

 ミステリ短篇を少しずつ携帯電話に配信し、問題篇が終わったところでドラマ化。解決篇はそのドラマの中で行われるという趣向です。 ドラマの放映は5月5日です。
 ドラマ放映前には、読者の皆様から回答を募ります。番組終了後、正解率も発表されることになっています。
 詳細はこちら( http://www.nhk.or.jp/tanteix/top.html )にあります。

 短篇をお読み頂くには、携帯電話で「メニュー→NHK→探偵X」と進んで、配信登録が必要になるようです。


 これまで探偵X(竹中直人)が番組ナビゲーターを務めていましたが、せっかくなので、今回は探偵X自身を主役に据えました。怪盗X(塚本高史)の依頼を無事に果たせるのか。また、読者・視聴者は事件の真相を見抜けるのか。助手(長澤まさみ)は役に立つのか。
 オーソドックスなフーダニット(犯人当て)ミステリです。超難問ではないと思いますが……。
 そうですね。そうそう易問でもないと思いますよ。
posted by 米澤穂信 at 17:17| お知らせ

2011年04月23日

受賞しました

 こんにちは。米澤です。

 拙作『折れた竜骨』が、第64回日本推理作家協会賞を受賞しました。
 12世紀イングランドという時代、北海に浮かぶ孤島という舞台、十字軍国家から来た騎士と従者という主人公。どれも一般的とは言い難いモチーフでしたが、思いがけない評価を頂きました。

 読んで下さった皆様、書店や出版社、関係者の皆様にご報告します。
 ありがとうございました。
posted by 米澤穂信 at 15:58| お知らせ

2011年04月22日

「万灯」


「小説新潮」2011年5月号(新潮社)収録
発売日:2011年4月22日 雑誌定価:900円



 この国はいずれ、あの天然ガスを必要とする。一億何千万人というバングラデシュ人が豊かになるためには、エネルギー資源は必ず天井知らずに必要になる。あの資源は、いずれ私の子孫が明かりを点け、食べ物を冷やし、地下水を汲み上げるために使うべきものだ。




 雑誌「小説新潮」に収録された短篇です。

 日本の総合商社・井桁商事は新規事業としてバングラデシュの天然ガスに目をつけ、精鋭スタッフを送り込んだ。彼らはインドとの国境に近い地域を有望と考える。しかし現地は交通の便が悪く、調査は難航した。
 安全かつ迅速にプロジェクトを進めるためには、前線に開発拠点が必須だった。地図を検討した結果、小さな農村・ボイシャク村が拠点として最適だとわかる。

 しかし、村の長老の一人アラム・アベッドは、物資・人員を置かせて欲しいという井桁商事の要求をすげなく撥ねつけた。そればかりか、送り込まれた社員はリンチされ、重傷を負ってしまう。開発計画は暗礁に乗り上げたかに見えた。
 そんなある日、ボイシャク村から手紙が届く。拙い英語で書かれた言葉は短かった。「一人で来い」。
 交渉の糸口になるのなら、危険を冒すメリットはある。開発室長は一路ボイシャク村を目指す。

 そこでは、自らの仕事の正当性をも問われるような、過酷な運命が彼を待っていた。


「小説新潮」2011年5月号には、マガジン・イン・マガジンとして「Story Seller 2011」が入っています。本作はその中に加えて頂きました。

タグ:『満願』
posted by 米澤穂信 at 00:00| 雑誌等掲載短篇

2011年04月01日

『パイド・パイパー』


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著:ネヴィル・シュート
解説:北上次郎
装画:杉田比呂美
装幀:東京創元社装幀室
出版社:東京創元社

発売日:2002年2月22日
定価:本体700円
文庫判
ISBN:978-4-488-61602-1

 ひとしずくもたらされる善意。その尊さが、胸に迫る。

 以前、「ミステリーズ!」のエッセイ「私の一冊」で、『パイド・パイパー』について書きました。
 その中の一文をオビに使って頂くことになりました。
 エッセイから引かれた関係上、オビ文には前後があります。さすがに全部書くわけにはいきませんが、少しご紹介します。
 年老いた紳士が「子供は私の責任」と確信し、気負うでなく、おためごかしでもなく、ただ自らの責任を全うするために全ての困難に立ち向かっていく。その高潔さに、心を打たれる。
 誰もが自分のことで精一杯な状況下で、それでもひとしずくもたらされる善意。その尊さが、胸に迫る。
 この小説が書かれたのは一九四二年。イギリスとドイツはまだ戦っていた。けれど、ネビル・シュートの筆は、敵を描く時でさえ品位を失わない。
『パイド・パイパー』は気高い小説です。巡り合わせとはいえ、私などがお薦めする機会を得られたことを光栄に思っています。
posted by 米澤穂信 at 00:00| 解説・推薦・編纂

2011年02月01日

『Story Seller3』


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編:新潮社ストーリーセラー編集部
出版社:新潮社

発売日:2011年2月1日
定価:税込740円
文庫判
ISBN:978-4-10-136673-9

 2010年4月に刊行された「小説新潮」別冊「Story Seller3」が、文庫本になりました。初出誌の通り、拙作「満願」が収録されています。
 以下に収録作一覧を記します。


沢木耕太郎「男派と女派 ポーカー・フェース」
近藤史恵「ゴールよりももっと遠く」
湊かなえ「楽園」
有川浩「作家的一週間」
米澤穂信「満願」
佐藤友哉「555のコッペン」
さだまさし「片恋」
posted by 米澤穂信 at 00:00| 共著・アンソロジー

2011年01月14日

『本格ミステリ07』 『法廷ジャックの心理学』


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(新書判)
編:本格ミステリ作家クラブ
解説:円堂都司昭
装幀:柴田淳デザイン室
出版社:講談社

発売日:2007年5月9日
定価:税込1,334円
新書判
ISBN:978-4-06-182530-7

(文庫判)
解説:有栖川有栖
装幀:京極夏彦 with FISCO
出版社:講談社

発売日:2011年1月14日
定価:990円(税別)
文庫判
ISBN:978-4-06-276857-3


 本格ミステリ作家クラブが毎年編んでいるアンソロジーに、拙作「心あたりのある者は」を採っていただきました。
 新書判が『本格ミステリ07』という題名で、文庫判が『法廷ジャックの心理学』という題名で出ています。
 以下に今回の収録作一覧を記します。

〈小説〉
「熊王ジャック」――柳 広司
「裁判員法廷二〇〇九」――芦辺 拓
「願かけて」――泡坂妻夫
「未来へ踏み出す足」――石持浅海
「想夫恋」――北村 薫
「福家警部補の災難」――大倉崇裕
「忠臣蔵の密室」――田中啓文
「紳士ならざる者の心理学」――柄刀 一
「心あたりのある者は」――米澤穂信

〈評論〉
「本格ミステリ四つの場面」――福井健太
「宿題を取りに行く」――巽 昌章

〈解説〉
「本格ミステリ07解説」――円堂都司昭(新書判)
「解説」――有栖川有栖(文庫判)
posted by 米澤穂信 at 00:00| 共著・アンソロジー

2010年12月31日

今年の総括です

 こんにちは。米澤です。

 先日大谷大学で講演をしました折り、「どうして雑誌などでは『こんにちは。米澤穂信です。』で始まるのに、サイトだと『こんにちは。米澤です。』で始まるんですか」と訊かれました。
 いい質問です。
 それは、「米澤穂信」がペンネームであり、「米澤」がハンドルネームだからなのです。このサイトは(URLの変遷こそあれ)デビュー前から続けているので、いまでもハンドルネームを優先しているんですね。
 今年、サイトが何周年だったかはよくわかりません。たぶん12周年でした。

 そして来年、私はデビュー10周年に突入します。
 よくもまあ、やってこられたものです。皆様ありがとうございます。

 今年は『ふたりの距離の概算』と『折れた竜骨』の二冊を上梓しました。
 一方が〈古典部〉シリーズの五冊目、一方は歴史+ファンタジー+ミステリの変化球。それぞれ、違ったコーナーを衝くことが出来ていればと思います。

 また、多くの短篇を発表した年でもありました。
 二月に「ナイフを失われた思い出の中に」(東京創元社)。
 四月に「満願」(新潮社)。
 八月に「柘榴」(新潮社)。
 十一月に「軽い雨」(文藝春秋)。
 十二月に「死人宿」(集英社)。
 短篇集が出るまでの道筋が……見えない……。
 いやまあ、こつこつやります。

 来年はまず、『リカーシブル』の連載からですね。
 短篇も少しずつ書いてはいきたいですが、ちょっと長篇に注力したいなと考えています。
 十周年にふさわしいような、いい作品が書けるかどうか。出来映えは書き上がってみないと何ともわかりませんが、私もそれなりに心に期するものを持って、仕事に臨みます。

 今年もありがとうございました。来年もがんばります。
posted by 米澤穂信 at 19:28| 近況報告

2010年12月21日

「馬辺里探訪」


「小説新潮」2011年1月号(新潮社)収録
発売日:2010年12月21日 雑誌定価:1,028円



 文章がのさばって風変わりな夢を見る。




 雑誌「小説新潮」の800号記念企画、「八百字の宇宙」に寄稿した掌篇です。

 本の断裁処分場があることで有名な、埼玉県馬辺里(ばべり)を訪ねた際の思い出話です。
 馬辺里だけで日本の断裁需要の八割をまかなえるそうですが、無数の本を葬るこの街には、小さな秘密があるのです。

posted by 米澤穂信 at 00:00| 雑誌等掲載短篇

2010年12月17日

「死人宿」


「小説すばる」2011年1月号(集英社)収録
発売日:2010年12月17日 雑誌定価:880円



「ちくしょう、死人宿め。これでまた、さぞや繁盛するだろうよ」




 雑誌「小説すばる」に掲載された短篇です。

 かつて職場の人間関係に悩まされ姿を消した恋人・佐和子が、深い山の中で温泉宿の仲居をしているという。それを聞き、私は取るものも取りあえず車に飛び乗った。
 無事に再会した佐和子は、この宿は「死人宿」だと語る。吹き出す火山性ガスのため、死にたい人間はあっさりと死ねるのだと。交通不便な宿がそれなりに繁盛しているのは、浮き世に疲れた人間が最後の晩餐に訪れるからなのだ。

 そしてその晩、佐和子が「私」に助けを求める。彼女が手にしているのは、旅客の落とし物。その中身は遺書だった。
 宿泊客は三人。
 その中に、「死人宿」に遺書を持って来た者がいる……。

「私」は、死のうとしているのは誰なのか考え始める。
 だが情報は限られており、日はみるみるうちに暮れていく。

タグ:『満願』
posted by 米澤穂信 at 16:02| 雑誌等掲載短篇

2010年11月26日

『折れた竜骨』特設サイトです

 こんにちは。米澤です。

 新刊『折れた竜骨』の発売が迫ってきました。
 東京創元社さんでは、発売に先立って『折れた竜骨』特設サイトが開設されています。

 登場人物を紹介するのみならず、相関図までもが載っています。
 物語の舞台となる「ソロン島」の位置も書き込んだ地図もあります。
 更には内容の一部までもが紹介されていて、ついでに私のインタビューも収録されています。

 こうも立派な特設サイトが用意されると、発売を控えて何ともプレッシャーがかかります……。
 ともあれ、もしよかったら見て頂けると嬉しいです。

『折れた竜骨』特設サイト
http://www.tsogen.co.jp/ryukotsu/

posted by 米澤穂信 at 05:37| お知らせ

2010年11月25日

『暗闇を見よ』


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編:日本推理作家協会
出版社:光文社

発売日:2010年11月25日
定価:本体1,300円
新書判
ISBN:978-4-334-07703-7

 日本推理作家協会が編んでいるアンソロジーに、拙作「身内に不幸がありまして」を採っていただきました。
 以下に今回の収録作一覧を記します。

赤川次郎「隣の四畳半」
飴村 行「ゲバルトX」
乾 ルカ「ちゃーちゃん」
歌野晶午「おねえちゃん」
北村 薫「三つ、惚れられ」
倉知 淳「猫と死の街」
柴田よしき「雪を待つ朝」
辻村深月「十円参り」
法月綸太郎「引き立て役倶楽部の陰謀」
平山夢明「吉原首代売女御免帳」
道尾秀介「冬の鬼」
柳 広司「ろくろ首」
米澤穂信「身内に不幸がありまして」
posted by 米澤穂信 at 00:00| 共著・アンソロジー

2010年11月19日

『折れた竜骨』サイン会

このイベントは終了しました



 有楽町店は申込受付満数終了です。
 ありがとうございます。



 こんにちは。米澤です。

『折れた竜骨』のサイン会を開いていただけることになりました。
 なんと二ヶ所です。


■米澤穂信『折れた竜骨』刊行記念サイン会(大阪・梅田
【日時】2010年12月4日(土) 開始:14:00〜

【場所】紀伊國屋書店梅田本店 特設会場

【整理券配布場所】2番カウンター

【お問い合わせ】紀伊國屋書店梅田本店 (TEL:06-6372-5821(代))

【参加方法】対象書籍ををお買いあげのお客様、先着100名様に整理券配布予定です。梅田本店にて11月18日よりお電話でご予約も承っておりますので、お早めにお問い合わせください。

【注意】サインは対象書籍(『折れた竜骨』)のみとさせていただきます。 また、整理券はおひとり様、1枚までとさせていただきます。写真撮影はできません。

紀伊國屋書店梅田本店告知ページはこちら
http://www.kinokuniya.co.jp/01f/event/event.htm#umeda_yn



■米澤穂信『折れた竜骨』刊行記念サイン会(東京・有楽町
【日時】2010年12月5日(日) 開始:14:00〜

【場所】三省堂書店有楽町店 1階特設会場

【整理券配布場所】1階レジカウンター

【お問い合わせ】三省堂書店有楽町店 (TEL:03-5222-1200(代)) *営業時間10:00〜22:00 日祝〜20:00

【参加方法】対象書籍ををお買いあげのお客様、先着100名様に整理券配布予定です。 有楽町店にて11月18日よりお電話でご予約も承っておりますので、お早めにお問い合わせください。

【注意】サインは対象書籍(『折れた竜骨』)のみとさせていただきます。 また、整理券はおひとり様、1枚までとさせていただきます。写真撮影はできません。

三省堂書店有楽町店告知ページはこちら
http://www.books-sanseido.co.jp/blog/yurakucho/event/


 とのことです。
 なお、東京創元社のサイト( http://www.tsogen.co.jp/news/2010/11/10111913.html )でも同様の告知があります。

 講演会で京都に行ったことはありましたが、近畿でのサイン会は初めてです。というか、実は大阪には初めて行きます。お手柔らかに!
 どうしよう、小説の内容が内容だけに、鎖帷子とか着て行った方がいいんだろうか。

 では当日、梅田ないし有楽町でお会いできることを楽しみにしています。
posted by 米澤穂信 at 14:30| イベント告知

2010年11月18日

「軽い雨」


「オール・スイリ」(文藝春秋)収録
発売日:2010年11月18日 雑誌定価:880円



 そして誰もいなくなった。




 ムック「オール・スイリ」に掲載された短篇です。

 高齢化が行き着くところまで進んでいた「与納村蓑石」で、とうとう最後の住人が世を去りました。

 しかし市町村合併後、市長は無人村の再生を掲げ「甦り課」を新設。定住者サポートを柱とする「よみがえれ! みのいし」プロジェクトを立ち上げます。
 事実上の責任者は、以前似たような仕事を任されたことのある垂水邦次郎。彼は並々ならぬ決意で新プロジェクトに臨みます。――成果を上げ、左遷先同然の「甦り課」から脱出するために。

 やがて、応募者の中から二世帯が第一陣として蓑石に移り住みます。
 ラジコン好きの久野とその家族。
 音楽好きの厚木とその家族。
 垂水が抱いた彼らの第一印象は、さほど悪いものではありませんでした。

 しかし垂水はやがて、軋轢が生じるには二世帯でも充分だということを知ることになります。


 短編です。
 初めて使うタイプのトリックを用いました。
 こういうのも、案外楽しいですね。

タグ:〈甦り課〉
posted by 米澤穂信 at 00:00| 雑誌等掲載短篇