2009年10月25日

ここが約束の地です

 こんにちは。米澤です。

 ひどい風邪にやられてしまい、一週間を棒に振ってしまいました。
 これは悪くなるなとわかったので週の前半は長めに寝るようにして、それでほぼ治ったと思ったのですが。
 症状がほぼ全て引いてからも咳だけがいっこうに止まらず、たいへん苦しい仕儀となりました。

 咳止めの薬も飲んだのですが、これがどうもよくない。
 咳が止まるというより、喉が痺れて咳をするだけの筋力がなくなるような感じで、異物感は残るのにしようと思っても咳ができないという薄気味悪いことになるのです。

 別の薬も試してみたところ、こっちはそういう不自然さはなかったものの、覿面に眠くなってしまう。
 寝れば寝ただけ回復するのですから確かにいい薬ではありますが、仕事が残っているとなるとありがたくもありません。

 ひとづてに聞いた話に、蜂蜜が喉に利くとやら。幸い、暑中見舞いに頂いた蜂蜜がまだ残っていたので、牛乳に溶いて飲むことにしました。
 牛乳を電子レンジで温め、蜂蜜を溶く。ちょっと喉を通せば、まあ偽薬効果かもしれませんが、ずいぶん楽になったような気がしました。

 それで蜂蜜入りのホットミルクを傍らにかたかたキーボードに向かい続けたのですが、あやふやな言葉を調べようと電子辞書に無造作に手を伸ばしたのがまずかった。
 あっと思ったときにはもう遅い。まんまとひっくり返してしまいました。


 それが流れていくのを見ながら、私は卒然として悟りました。
乳と蜜の流れる地
 旧約聖書にいう「約束の地」とは、なるほどここのことであったのか、と。


 べたつく。
posted by 米澤穂信 at 03:43| 近況報告

2009年10月06日

『ボトルネック』増刷決まりました

 こんにちは。米澤です。
 スケジュールの隙を衝いて彦根城に行ってきました。

 城の麓で「ひこにゃんは○時に来ます」と言われました。
 城の中腹で「もう間もなくひこにゃんが来ます」と言われました。
 城の天守閣で「いま入るとひこにゃんに間に合いませんよ」と言われました。

 もし「いや、ひこにゃんに興味はありません」とでも言おうものなら、
「なんですって!」
「ひこにゃんに興味がない!?」
「失礼、聞き違えたかな。何と言われました」
「やだ、こわい」
「ママー、ママー!」
 と大騒ぎになった挙句、微笑みが顔に張りついた彦根城管理事務所員がどこからともなく現れて「少しお話を伺えますか」と深く静かで心地よく秘密めいたところに連れて行かれるのではないかと不安でした。

 帰ってきたら『ボトルネック』文庫判の増刷が決まっていました。
 ありがとうございます。
 ひこにゃん。
posted by 米澤穂信 at 00:00| お知らせ

2009年10月01日

『ボトルネック』


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BOTTLENECK

(四六判)
著:米澤穂信
装画:フジモト・ヒデト
装幀:新潮社装幀室
出版社:新潮社

発売日:2006年8月31日
定価:税込1470円(本体1400円)
四六判クレスト装
ISBN:4-10-301471-7

(文庫判)
著:米澤穂信
装画:笹部紀成
装幀:新潮社装幀室
解説:村上貴史
出版社:新潮社

発売日:2009年10月1日
定価:本体476円
文庫判
ISBN:978-4-10-128781-2

 八冊目です。
 ミステリというよりは青春小説、と言われます。

 舞台は石川県金沢市。実在の場所を物語の舞台にするのは、多分初めてです。主人公は高校一年生、嵯峨野リョウ。彼は二年前に死亡した恋人を弔うため、福井県東尋坊を訪れます。
 しかし、強い眩暈に襲われ、気がつくと彼がいたのは金沢市。不思議に思いながらも帰宅した彼を迎えたのは、サキと名乗る見知らぬ女性でした。いくばくかのやり取りの後、サキは言います。自分はリョウの、生まれなかった姉。ここはあなたが生まれなかった世界なのだ、と。
 もちろんリョウは、すぐにはその言葉を信じません。ともあれサキはリョウを温かく遇し、二人は連れ立って金沢の街や、北陸本線や、東尋坊を見てまわることになります。

 ボトルネックがあります。排除すれば済むと人は言いますが、むしろ問題なのはここからです。
posted by 米澤穂信 at 00:00| 既刊情報

2009年09月30日

新連載と文庫化です

 こんにちは。米澤です。

「野性時代」(角川書店・毎月12日発売)に小説を連載することになりました。
〈古典部〉シリーズの五冊目になる予定の長編で、題名は『ふたりの距離の概算』と付けています。

 2007年の『遠まわりする雛』以来、久しぶりの〈古典部〉になります。
 その間にいろいろな小説を書きました。〈古典部〉の書き方を忘れているのではと不安に思っていましたが、キーボードに向かい合った途端、すらすらと折木奉太郎の一人称が出てきたのは不思議なぐらいでした。

 10月発売の11月号から掲載されていきます。
 しばらくおつきあいいただければ嬉しいです。



 また、10月1日には新潮社から『ボトルネック』が文庫化されます。
 いま振り返れば、あれも一つの総括でした。良かったらお手にとってみてください。
posted by 米澤穂信 at 21:24| お知らせ

2009年09月24日

立川に行ってきました

 こんにちは。米澤です。

 去る9月23日、東京は立川市のオリオン書房ノルテ店さんで開かれたトークセッションに行ってきました。
 会場は立ち見が出る盛況。対して私が大勢の人の前で話すのは何年ぶりでしょうか。俺ァ小説を書くのが仕事でい、喋りはトチっても知らねぇぜ、と思い切って席に着きましたが、お相手の瀧井さんにも助けられ一時間半のトークを何とか無事に終えることができました。
 お世話になった関係者の皆様、そして参加してくださった皆様、ありがとうございました。

 トークの後ももう少し場所を借りられるということで、サインもしてきました。
 有楽町でのサイン会と今回のトーク、両方に来ていただけた方もいらっしゃって、そういう方々は既にサインを受け取っているのですから面白みがない。そんなこともあろうかと、今回は落款を持参しました。
 落款のお披露目です。
 なお落款はイベント後に落として壊しました。
 落款のお蔵入りです。


 アンケート用紙を回収して赤面しました。
 サイン中、「『犬はどこだ』に出てくる○○に乗っています」と言って下さった方がいらっしゃいました。私はついそれを聞き逃したんですが、てっきりドゥカティのバイクの話だと思い込み、「ああ、あれは住宅街では下りて押すしかないですね」というようなことを言ったと思います。
 ところがアンケートには「『犬はどこだ』に出てくるコペンに乗っています」と書いてあったのです。
 ……コペンだったら、あんまり、下りて押さないかな?
 いやいやまったく、とんでもない勘違いでした。ここにお詫びして訂正します。
posted by 米澤穂信 at 13:57| 近況報告

2009年09月23日

『追想五断章』トークセッション

このイベントは終了しました



 8/31をもちまして申込受付満数終了です。
 ありがとうございます。
 以下は当日のご案内のために残してあります。


 こんにちは。米澤です。

『追想五断章』の発売を記念して、トークセッションを開いていただけることになりました。
 ……トークセッション?
 えっ、誰が喋るの? 私?


オリオン書房ノルテ店

2009年9月23日(
15:30開場 16:00開始

オリオン書房ノルテ店ラウンジにて

入場料 500円(当日会場にて清算)

店頭・電話・メールにて席のご予約をお願いします。
メールにてお申込みの方は、お名前(フルネーム)・ご連絡先・参加ご希望イベントを必ず明記してください。

電話でのお申し込み先:042-522-1231

トーク終了後、米澤穂信さんのサイン会を予定しております。
対象本は『追想五断章』に限ります。
対象本はオリオン書房でお買上げいただいた本でなくても結構です。

*写真撮影ならびに録音はお断りさせていただきます。
*イベントの主旨上、作品の内容に触れる可能性もありますので、未読の方はご注意ください。

 とのことです。
 聞き手はライターの瀧井朝世さんです。

 オリオン書房ノルテ店というのは、東京都立川市のお店ですね。リンク先にはわかりやすい地図もあります。
 今回は入場料制ですが、拙作をお買い求めいただいていなくても参加できます。
 ただ、刊行記念トークセッションということで、上記にもあるように、作品内容の話はどんどん出ると思います。

 あまり気張った話はやろうと思っても出来ないので、のんびりやらせていただこうと思っています。ぐだぐだになったらごめんなさい。

 では当日、立川でお会いできることを楽しみにしています。

この記事はイベント当日まで最上部に掲示されます
posted by 米澤穂信 at 00:00| イベント告知

2009年09月18日

推薦文とインタビューです

 こんにちは。米澤です。

 夕食は秋刀魚でした。ああ夏なんて、なんにもいいことなかったわ。

 早川書房の「ハヤカワ文庫の100冊」に推薦文を寄稿しました。たまには冒険小説から書いてみようかななんてことも思いましたが、出来れば本格ミステリからとのことでしたのでハリイ・ケメルマン『九マイルは遠すぎる』について書きました。
 ううむ、せっかくのネット媒体なんですから、もっと大雑把に規定字数を超えてたっぷり書けばよかったかもしれません。この短篇集、表題作が有名すぎて他の作品があんまり顧みられないんですよね。


 また、小学館の「きらら」誌から『追想五断章』についてのインタビューを受けました。インタビュアーはライターの瀧井朝世さんです。


 機会があったらお手にとっていただければと思います。
posted by 米澤穂信 at 23:27| お知らせ

2009年09月07日

『追想五断章』増刷決まりました

 こんにちは。米澤です。

 先日のサイン会の出来事です。
 サインの合間に、編集者さんにそっと耳打ちされました。
「……さんがいらしています」
 何しろ会場がお店の中ですから、それなりにざわついています。よく聞き取れませんでした。それに気づいたのか、編集者さんはもう一度言って下さいました。
「道尾さんです」
 なんですと。

 というわけで、仲の良い作家の道尾さんにもサイン会に来ていただきました。
 笑顔でお出迎え!
 ご自身も新刊を出されたばかりでお忙しい時期だったでしょうに。サインする僅かの時間に交わされた会話はたいへん興味深いものでしたが、あいにく、さすがにここには書けません。


 そんな『追想五断章』ですが、今回重版の運びとなりました。
 読者の皆様、関係者の皆様、ありがとうございます。
posted by 米澤穂信 at 21:55| お知らせ

2009年09月04日

インタビューです

 こんにちは。米澤です。

 新刊『追想五断章』の発売を受けて、インタビューに呼んでいただきました。

 今回はweb媒体、しかもインタビュアーは担当編集者さん。
 インタビューには割と金城湯池な感じで臨む私ですが、なにしろ一緒に本作りをした方との後日談ということもあって、ちょっとだけガードが下がっているような気もします。


 さらに、有線放送「ミステリチャンネル」にも出させていただきました。インタビュアーは杉江松恋さんです。
 書き手なんて基本「お話の生る木」でいいんじゃ、と思っている私にとって、映像が残るのはちょっと恥ずかしいことだったりします。
 でも出てしまいました。


 ううむ、動いている自分を見るのは恥ずかしい。
 とまれ、よろしくです。
posted by 米澤穂信 at 19:19| お知らせ

2009年09月02日

サイン会に行ってきました

 こんにちは。米澤です。

 去る9月1日、有楽町のサイン会に行ってきました。
 平日ということもあり、何かと仕事の都合がつかなくなる方も多いのではと思っていましたが、多くの方に来ていただけました。今回は作品の内容を反映してか、いつもより幅広い層の読者さんに来ていただけたように思います。
 少しでも待ち時間の暇つぶしになればと、整理券の裏に何か書けるよう筆記具を配ってもらったのですが、本当にたくさんのメッセージを頂戴して喜んでいます(実はこの「筆記具を配る」というアイディア、別の作家さんのサイン会でやっていたのを「あ、これいいな」と取り入れたものだったりします)。

 お手紙や差し入れ、面白いところでは小佐内を象った手作りのしおりなんてものまで頂いて、本当に力になりました。
 ありがとうございました。
posted by 米澤穂信 at 19:50| 近況報告

2009年09月01日

『追想五断章』サイン会

このイベントは終了しました



 8/31をもちまして申込受付満数終了です。
 ありがとうございます。
 以下は当日のご案内のために残してあります。


 こんにちは。米澤です。

『追想五断章』のサイン会を開いていただけることになりました。
 今回の会場は、驚きのあの街です。


三省堂書店有楽町店

【日時】
 2009年9月1日(火) 開始:18:30から

【会場】
 三省堂書店有楽町店 1階特設会場

有楽町店にて本書をお買上げのお客様に、1階レジカウンターにて整理券を配布しております。
お電話でご予約も承っておりますので、お早めにお問い合わせ下さい。

【お願い】
写真撮影は禁止です。

【お問い合わせ】
三省堂書店有楽町店 03-5222-1200(代)
(10:00〜22:00)

 とのことです。

 というわけで、今回は有楽町で夕方からです。
 実は日が暮れてからの有楽町にはほとんど行ったことがありません。ちょっと緊張しています……。

 では当日、有楽町でお会いできることを楽しみにしています。

この記事はイベント当日まで最上部に掲示されます
posted by 米澤穂信 at 00:00| イベント告知

2009年08月21日

インタビューです

 こんにちは。米澤穂信です。

 新刊『追想五断章』の発売に先立って、いくつかのインタビューに呼んでいただきました。

「小説すばる」誌上で、『追想五断章』のモチーフの一つであるリドルストーリーについていろいろお話ししてきました。インタビュアーは書評ライターの小池啓介さんです。
 なんと、マーク・トウェインのリドルストーリー「中世のロマンス」(勝浦吉雄・訳)が収録されています。



 集英社の読書情報誌「青春と読書」誌上で、主に小説としての側面についてお話ししてきました。インタビュアーはライターの山本圭子さんです。
 なんと、笠井潔先生に「探偵の動機」と題したエッセイを寄せていただきました。


 ありがたいことです……。
 読者の皆様にも、お手にとっていただけると嬉しいです。
posted by 米澤穂信 at 19:08| お知らせ

2009年08月15日

誤植疑惑です

 こんにちは。米澤です。

 カボチャのリゾットを作るときレンジにかけたカボチャを潰すのですが、それが甚だ面倒なので文明人らしく電気の力を借りようと思い電器店に行ったはいいものの、ミキサーとジューサーとミルサーとフードプロセッサーの違いがわからず困り果てました。
 そこで店の人にお尋ねしたところ、以下のような回答を得ました。
「ミキサーは混ぜるものです。ジューサーは搾るものです。ミルサーは挽くものです。フードプロセッサーは食べ物を加工するものです」
 日本語能力に挑戦されたような気がしました。
 結局何も買わずに帰って来ましたが(日本語能力の敗北です)、カボチャを潰すにはどれを買えばよかったのでしょう。


 これだけでは寂しいので、もうちょっと書きます。
 何とか時間を見つけて、少し離れた禅寺に行ってきました(メインの用件は他にあったんですが)。その時のことを少々。

 お寺の近くには大きなアーチ状の橋がありまして、ここでは金魚を売っていました。
 その金魚は別に飼うために売っているのではなく、放生するため、つまり逃がすために売られていました。人間に捕われた生き物を解き放つことは「徳」であるという仏教的な考え方に基づいた商売です。「浦島太郎」や「鶴の恩返し」なんかでもおなじみのシステムですね。
 そういえば江戸時代には、逃がすための「放ち鳥」や「放ち亀」を売る商売があったと聞いたことがあります。放たれるために捕われた(あるいは養殖された)生き物でも、放てば徳になるというのは面白いものです。

 もちろん言うまでもなく、本当に動物たちを傷つけまいとするなら、最初から捕まえない方がいい。しかし、「放生は徳」というルールは、必ずしも動物愛護のためにあるのではありません。あくまでも「放てば放った人間に徳ポイントが入る」という点が重んじられています。おそらくそれゆえに放生という習俗は現代では廃れてしまいましたが、どこかの寺ではいまでも「秋の徳々ポイントアップキャンペーン」こと放生会を営んでいるそうですね。
 雨月物語の中に、魚を漁師から買って放生していた坊さんが死に際して金鯉の服を与えられ、一匹の鯉となって琵琶湖に遊ぶという話がありました。私も金魚を逃がせば、金鯉とまではいかずとも、あるいはいずれウグイの服ぐらいはもらえるかもしれません。


 そんなことを思いながら禅寺に行くと、お堂にこんな掛け軸がありました。


zen_A.JPG

 別の場所で雨月のことを思い出した後で、この言葉に会うとは面白いものです。
 江月照松風吹。永夜清宵何所為、と続きます。雨月物語中のボーイズラブその2、青頭巾にも出てきました。
 この句の意味がわかると、禅スキル的な意味でいいことがあるらしいです。もしかしたら徳ポイントにボーナスがつくのかもしれません。ははあなるほど、と思いながら見ておりまして、ふと振り返るとそこにも掛け軸が。


zen_B.JPG

 うんうん、江月照松風吹。
 などと頷いてはいけません。思わず二度見してしまいました。
 これ、違うじゃないですか。江風が吹いて松月が照らしてるじゃないですか。
 誤植?
 誤植なのか?
 インド人が右なのか?
 こ、これはたいへんです! たすけて校正さん!

zen_C.JPG

 しかし思えば、禅とはとらわれない心的なナニカらしい。こんな些事に心乱れているようでは、徳ポイントの入手はおぼつかないような気がしないこともありません。
 そう考えればあの掛け軸、あるいは来客の禅スキルを試す巧妙な罠だったとも考えられます。
 私はまんまと引っかかってしまいました。これからこの寺にお参りに行く方は、どうぞお気を付けください。

もっとも、
posted by 米澤穂信 at 00:24| 近況報告

2009年08月07日

インタビューと芸です

 こんにちは。米澤です。

 雑誌「CREA」2009年9月号にインタビューを載せていただきました。インタビュアーは藤田香織さん。読書特集の一環です。
 どうぞよろしくです。
 若手作家特集なのに私だけなんか年齢が上に見える。曇り空のせいだ。



 で。

http://michioshusuke.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-4b4c.html

 いやいやいやいや。
 定義の問題ですよ、定義の! これじゃまるで私が酷い人のようではないですか。「仲が良い」というのはあれですよ、夕日に向かって一緒にダッシュするぐらいの仲のことを言うのかなと思っていたんですよ!
 文藝春秋の編集者さんからは「あらかじめ打ち合わせたかのようなコンビ芸」と言われてしまいました。そんな芸はいらない。

http://sakuraba.if.tv/diary/index.php?mode=res_view&no=790

 ああもう、あなたまで。
 というか別の質問への答えにはあなた方の名前を挙げたのにそこは記事に使われなかったとは、端倪すべからざる運命は実にどこに落とし穴の口を開けているかわかったものではありません。
posted by 米澤穂信 at 19:52| お知らせ

2009年07月29日

『追想五断章』詳細決まりました

 こんにちは。米澤です。
『追想五断章』の詳細が決まりましたのでお知らせします。

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著:米澤穂信
装画:小泉孝司
装幀:芥陽子
出版社:集英社

発売日:2009年8月26日
定価:1365円(税込)
四六版上製
ISBN:978-4-08-771304-6

 とのことです。
 昨年「小説すばる」誌で連載させていただいた長篇を、万全の形でお届けいたします。

 武蔵野のバス通りに面して建つ古書店を、女が訪れる。彼女の探し物はどこにあるとも知れぬ五篇の小説。そのどれもが結末の明かされぬ物語、「リドルストーリー」だという。
 失われた小説を求める旅は、やがて二十二年前の疑惑、「アントワープの銃声」へと繋がっていく……。

 といった感じに、既作に比べてもちょっといぶし銀な小説になりました。手紙、雑誌記事、子供の作文、そしてもちろん失われた五篇の小説と、多くのテキストを一篇の小説『追想五断章』へと組み上げています。
 皆様のお手元に届けられる日が楽しみです。
posted by 米澤穂信 at 01:45| お知らせ

2009年07月14日

インタビューです

 こんにちは。米澤です。

 書評サイト「BookJapan」にインタビューを載せていただきました。
 インタビュアーは杉江松恋さん。メインの話は『秋期限定栗きんとん事件』についてですが、話は〈小市民〉シリーズ全体や〈古典部〉シリーズのみならず、いろんな方面に膨らみました。


 どうぞよろしくです。
posted by 米澤穂信 at 08:48| お知らせ

2009年07月10日

『夏の口紅』


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著:樋口有介
解説:米澤穂信
装画:中島梨絵
装幀:野中深雪
出版社:文藝春秋

発売日:2009年7月10日
定価:税込580円
文庫判
ISBN:978-4-16-753108-9

 樋口有介『夏の口紅』が文春文庫で復刊されました。
 今回、その解説をお任せいただきました。

 なにしろ文体が特徴的な小説(というか、作家)です。
 その魅力をどうお伝えしたものか迷いましたが、好きだというだけで解説を書ききる芸はないので、ちょっとばかり本作の占める位置や意味、一読者としての私が受け止めた「樋口有介的な手法」についても書きました。

 穿ちすぎではない、と信じたいです。
posted by 米澤穂信 at 00:00| 解説・推薦・編纂

2009年06月30日

うれていました

 こんにちは。米澤です。

 暑くなってきたのでリゾットを作ることにしました。
 暑さとリゾットの間に論理的な因果関係はありません。

 鶏肉とトマトを味の柱に立て、エリンギでスープを作り、ズッキーニとアスパラガスを加えることにしました。
 米はオリーブオイルで炒め、エリンギは水から煮てだし汁にして、トマトはおろし金ですり下ろします。緑の野菜は別個に茹でて、最後に加えます。

 さあ、トマトを鷲づかみにして。
 おろし金に押し当てて。
 豪快に。
 一気に。
 ざくっ……。

 いやしかし誤算でした。
 トマトが思ったより熟れていました。
 まさかあんなに柔らかく、一気に潰れてしまうとは。
 おかげで勢い余ってしまったじゃないですか。
 でも大丈夫。トマトは赤いですから。
 ちょっとぐらい赤い体液が混じってもわかりゃしませんって。
 鉄分補給にもなります。
 自給自足ですが。


 六月も終わり。ということは一年の半分が過ぎたということです。
 なんたることか。
 そろそろ予定情報も更新したいところです。下半期も引き続きよろしくお願いいたします。
posted by 米澤穂信 at 22:43| 近況報告

2009年06月25日

遅ればせです

 こんにちは。米澤です。

 先日、初対面の作家の方に名乗ったところ、
「何度かお見かけしました」
 と言われました。
「えっ、どこでですか?」
「角川の新年会です」
 確かにたいてい行きますが。
「米澤さんってあれですよね、毎年……」
「はあ」
「壁のそばに立ってる人ですよね。ひとりで」
 ええ。
 そうです。
 そうですよ。
 壁の花ですとも!


 遅ればせながら、パット・マガー『七人のおば』の帯を書かせていただいた件、告知いたしました。
 遅ればせすぎる……。フェアが始まったのは4月です。今更アップロードしても遅いとは思いましたが、仕事の記録という意味もありますので。

 それにしても、ずいぶんと砕けた帯が採用されてしまったものです。
 今回のフェアでの特装帯は、
 こちらで見ることができます。
 ……浮いてますよ、私。ふわふわと浮いています。
 いや本当はもっと真面目なものも書いていたんですよ。
 それが何の因果か。物の弾みで。


 ちなみに、帯を書かせて頂くのは初めてだったので、研究の意味を込めて「各社の帯ごっこ」をして遊びました。
 どれがどの出版社を想定したものかわかりますでしょうか?

【A案】
幸せなだけの結婚など
どこにもありはしない

【B案】
名作『四人の女』の次はこれだ

【C案】
これが決定版!
ゴールデンエイジの衝撃を再び、あなたに!

【D案】
「あたしの体には悪い血が流れている」
才媛が描く人生の物語

【E案】
おばが七人!?
新婚家庭は大パニック!!

 どれも嘘ではないのが面白いところです。
 いろんなひとに怒られそうなので答えは書きません。

追記
posted by 米澤穂信 at 15:41| 近況報告

2009年06月24日

『七人のおば』


seven_deadly_sisters.jpg

著:パット・マガー
解説:北村薫
装画:朝倉めぐみ
装幀:矢島高光
出版社:東京創元社

発売日:1986年8月22日
定価:本体800円
文庫版
ISBN:4-488-16404-8

 結婚? 考えてません。『七人のおば』を読んだら怖くって ―― 米澤穂信

 創元推理文庫50周年記念企画として、特装帯を使ったフェアが行われています。
 今回、『七人のおば』の帯を書かせていただきました。
 ちょっとユーモラスな帯になりました。店頭で見かけたらくすりと笑って、そして手にとっていただけると嬉しいです。
posted by 米澤穂信 at 00:00| 解説・推薦・編纂